日本のケベック研究
33/52

33 山口いずみの主要業績(ケベック研究関連): 書籍 1. 「ケベコワ・アイデンティティの模索」日本ケベック学会日ケ交流40周年記念事業編集委員会『遠くて近いケベックー日ケ40年の対話とその未来』御茶の水書房、2013年、269-271頁。 2. 「ケベック州・市」日本カナダ学会『カナダ豆事典』編集委員会『カナダ豆事典』日本カナダ学会、2012年、48頁。 3. 「ラヴァル大学」日本カナダ学会『カナダ豆事典』編集委員会『カナダ豆事典』日本カナダ学会、2012年、142頁。 論文 1. Vivre la différence : intégration identitaire chez des Montréalais d’origine chinoise, thèse de doctorat, Département de sociologie, Université Laval, Québec, 2009. 2. 「ケベック社会の『特殊性』と多様性:移民およびエスニック・マイノリティに関する政策の検討」『国際関係学研究』第27号、2001年、75-89頁。 インタビュー要旨 1.まず簡単に自己紹介いただき、これまでやられてきたご研究の主要テーマは何かお話しください 津田塾大学国際関係学研究所で客員研究員をしております山口いずみです。私の研究関心は一貫して「アイデンティティ」、「差異」、「共生」というテーマに関わっております。1999年9月から2009年4月にかけては、ラヴァル大学大学院社会学研究科博士課程に在籍し、文化的多様性を確保しつつ、いかに社会統合はなしえるのかという問題関心のもと、研究活動を行いました。博士論文では、モントリオール市在住で、カナダ生まれもしくは幼少期に移民した中国系カナダ人にインタビュー調査をおこない、中国的でもありカナダ/ケベック的でもあるという彼らの多層的なアイデンティティがどのように認識・経験されているのかを明らかにしました。 2.現在のご研究の具体的なテーマと結論についてご説明いただけますか。 博士論文では、諸個人が自らの民族的出自と社会主流派との間の「差異」と折り合いをつけつつアイデンティティの一貫性を維持する方法を、理念型として抽象化しました。この博士論文で得られた知見の深化をめざし、今年の2月から3月にかけて2週間ほどモントリオールに滞在し、インタビュー協力者の一部と約10年ぶりに再会しました。目下インタビュー・データを分析し、彼らのアイデンティティの構成、とりわけ「中国系」と「ケベコワ」、「カナディアン」という境界に変化はみられるのかどうか、検討しているところです。 3.今後のご研究の課題や抱負についてお聞かせください。 まず、アイデンティティの多層性、なかでもナショナル/国家的アイデンティティ、共同体的/エスニック・アイデンティティ、個人的アイデンティティの関係という研究テーマに地域的条件を考慮しつつ、接近したいと考えます。いまひとつは、異民族間カップルにおけるエスニック・アイデンティティの世代間伝達という問題に取り組みたいと考えます。今後も「アイデンティティ」、「差異」、「共生」といった普遍的テーマについて、ケベック、カナダでの現地調査から収集したデータを社会学的に分析しつつ、考えていきたいと思います。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です