日本のケベック研究
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36 インタビュー要旨 1.まず簡単に自己紹介いただき、これまでやられてきたご研究の主要テーマは何かお話しください 横浜国立大学の長谷川秀樹です。大学の学部ではフランスの少数民族ということでコルシカの民族問題について研究し、大学院の修士課程では、フランスの社会学理論で、特に分類や区別の概念についての理論的研究を深めて、博士課程では両方を総合する形で、近代革命以降コルシカという少数民族がどのように形成されてきたのかについて理論的、実証的に研究してきました。 2.現在のご研究の具体的なテーマと結論についてご説明いただけますか。 現在はコルシカの民族問題あるいはナショナリズムについて研究を続けていますが、2つの観点からケベックとのつながりが考えられます。一つは、ナショナリズムの比較という点で、コルシカとケベックのナショナリズムはほぼ同じ時期に起こってきたという点で比較対象となり得ると思います。もう一つはフランス語圏、フランコフォニーという観点からの結びつきが考えられます。フランスの共和主義という考え方、価値観について客観的に、あるいは批判的に検討する意味で、フランコフォニーという概念が重要ですが、特にケベックの統合理念であるいくつかのテーマがフランスの共和主義を批判的に見る上で有意なものと考えますので、フランコフォニーとの関連で何人かのケベックの重要な人物について研究を進めているところです。 3.今後のご研究の課題や抱負についてお聞かせください。 ケベックにおいてフランコフォニーを立ち上げた重要な人物、特に政治家兼ジャーナリストのジャン=マルク・レジェ(Jean-Marc Léger) 、そしてベルギーに生まれマドレーヌ諸島で生涯を終えた芸術評論家ポル・シャントレーヌ(Pol Chantraine)について、今後のフ AJEQ Entrevue Série 4-2: AJEQインタビューシリーズ4-2 Entrevue avec HASEGAWA Hideki: インタビュー:長谷川秀樹 http://japon-quebec.org/hasegawa/ HASEGAWA Hideki (Université nationale de Yokohama ) 長谷川秀樹(横浜国立大学) インタビュービデオ(Japonais日本語)– 6:43 http://youtu.be/VLY-MPKHHss 2014年10月21日 神奈川県横浜市保土ヶ谷区、横浜国立大学にて

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