日本のケベック研究
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41 3. Quels sont vos prochains projets de recherche et les sujets particuliers que vous aimeriez approfondir sur le Québec? Je voudrais poursuivre mes travaux sur la littérature québécoise dans une perspective mondiale, notamment en dégageant l’universalité de l’oeuvre de Gabrielle Roy et en exami-nant la dynamique de l’écriture migrante qui est remarquée non seulement au Canada mais aussi, récemment, en Europe. Je pense que le Québec, à travers ces relations entre gens simples et cette cohabitation avec la nature, regorge de suggestions pour le Japon confron-té, à la fois, à son passé qu’il a perdu, et à l’avenir dans lequel il s’engage. ————————————————————————————————————————————————————————————————————————————- インタビュー要旨 1.まず自己紹介いただき、どのようにケベックとかかわってこられたかお話しください。 阪南大学の真田桂子です。私は1980年代の終わりから90年代前半にかけてケベックのモントリオール大学に留学しました。ケベックに留学するきっかけとなったとは、当時京大人文研の教授であった多田道太郎先生に勧められたからです。多田先生と立命館大学教授であった西川長夫先生は、80年前半にモントリオール大学の東アジア研究所に招かれ日本文化や日本文学を教えておられました。関西のそうした先生方の導きでケベックを発見し、今日までケベックについて関心を持ち研究を続けることになりました。 2.ケベックについて、これまでおよび現在、どのようなご研究やご活動をされているかお話ください。 モントリオール大学でも大きな出会いがあり、ケベックの国民的な詩人で、芭蕉や西行など日本の詩歌にも大変造詣が深いジャック・ブロー先生に出会い師事することが出来ました。また著名な詩人で評論家のピエール・ヌヴー先生に指導教官になって頂き、ガブリエル・ロワについて研究を進めました。ロワはカナダの多様な民族やマイノリティを描き、フランス系のみならずカナダを代表する作家の一人で、私はその代表作の一つである『わが心の子らよ』を翻訳しました。また一方で、80年代のケベック社会の多元化を鋭く反映した動きであるトランスカルチュラリズムと、そこで大きな役割を果たした仏語表現の移民作家たちによるl’écriture migrante (移動文学)に注目し『トランスカルチュラリズムと移動文学-多元社会ケベックの移民と文学』という研究書を上梓しました。ケベックでは言語への意識が高く、文学が政治や社会と深く結びつき相互に影響を与え、活力に満ちていることに感銘を受けました。そこにケベック文学の魅力の一つがあると思われます。 3.今後のご研究の展望について、またこれまでのご経験を踏まえて、日本とケベックとの関係について、ご意見をお聞かせください。 今後はガブリエル・ロワの文学における普遍性についてや、近年カナダのみならず欧州でも注目されているl’écriture migrante (移動文学)の動向について検証したり、世界的な視野からケベック文学について研究を進めたいと思っています。研究を離れてもケベックから得たものは計り知れません。ケベックには素朴な人とのつながりや自然との共生など日本が失ってしまった良き過去とこれから日本が進むべき未来への示唆が同時につまっているように思われます。

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